エリスリトールをご存じですか?
白い、サラサラッとした甘味料です。一見、普通の白砂糖と見分けがつきません。ですが、白砂糖と違って、カロリー・糖質が実質ゼロ。
摂取しても血糖値が上がらないんです。
甘いもの好きにとっては神のような存在の糖質です。
エリスリトールとは?
「エリスリトール」という名前、なんだか合成甘味料のようにも感じますよね。合成甘味料を懸念されている方は不安になるかもしれません。
名前はひっかかるかもしれませんが、このエリスリトール、合成甘味料ではありません。
エリスリトールは天然の甘味料
エリスリトールは、糖アルコールという糖質に分類されます。
くだものや野菜、きのこ、お酒、味噌などの発酵食品にも含まれ、人や動物の体内にもエリスリトールは存在しています。
しかし含有量がとても少なく、エリスリトールは希少糖とも呼ばれています。
そのため、とうもろこしなどのでんぷんからブドウ糖を作り、酵母で発酵させたものが「エリスリトール」として販売されています。
気になる危険性
エリスリトールは、JECFA(FAO・WHO合同食品添加物専門委員会)により安全性が広く認められています。
また、合成甘味料にNOを唱える方々にも一目置かれている糖質なんです。合成甘味料ではありませんが…。
副作用としては、
- 既定の摂取量(およそ40g)を越えて摂るとお腹が緩くなる可能性がある
- とうもろこしやじゃがいもが原料なので、アレルギー反応が出る人がいる
食品としての危険性はありませんが、摂り方や体質によっては副作用が出るかもしれません。
エリスリトールの特徴
エリスリトールの見た目は白砂糖と似ていますが、甘味や質感は少し違います。
エリスリトールの甘味
エリスリトールの甘味の強さは、砂糖と比べるとややひかえめ。
砂糖のだいたい70〜80%の甘さです。
砂糖と同じ甘さがほしいときは、エリスリトールを多めに(砂糖の約1.3倍)使う必要があります。
エリスリトールの食感
エリスリトールはサラサラ、シャリッとした食感で、舌に乗せるとヒンヤリ冷たく感じます。
スースーするような、ヒヤッとするような清涼感は常につきまとうので、好みがわかれるところでもあります。
シャリシャリ感に関しては、ミキサーなどで細かく粉砕するとふわふわの粉砂糖のようになり、緩和されますよ。
エリスリトールのここがすごい
甘さひかえめで少しクセのあるエリスリトールですが、甘いものが大好きな人には強い味方になってくれます。
カロリーゼロ
厳密には1g 0.2kcalです。わずかにカロリーはありますが、白砂糖(上白糖)のカロリーの約1/20になります。
厚生労働省より0kcal表記が認められていますので、実質カロリーゼロ。
ダイエット、肥満対策に使わない手はありません。
家庭の砂糖をエリスリトールに置き換えれば、それだけでダイエットにつながるんです。
私は口寂しいときに、甘いコーヒーやホットミルクを飲むので、エリスリトールを入れて罪悪感なく甘味も堪能しています。
ついでにコレステロールもゼロです。
血糖値が上がらない
エリスリトールの糖質も実質ゼロ。
実際には炭水化物がかなり含まれているのですが、エリスリトールは身体に吸収されず、尿としてほぼ排出されます。
なので実質、糖質ゼロ。
また、エリスリトールを摂っても血糖値が上がりません。食後のインスリンの分泌も抑えられるため、糖尿病の方にも重宝されています。
虫歯の原因にならない
「甘いものは虫歯になりやすい」というイメージがありますが、虫歯菌はエリスリトールを代謝することができません。
エリスリトールから歯垢や酸を作り出すことができないので、虫歯のリスクが低くなります。
キシリトールも同様ですね。エリスリトールも歯磨き粉に使用されています。
エリスリトールのここが惜しい
エリスリトールはダイエッター、血糖値が気になる人に嬉しい甘味料なのですが、少しだけ難点があります。
スーパーで買えない
エリスリトール、スーパーなどで見かけることは基本的にありません。エリスリトールを買う人は皆さん通販を利用しています。
私はニチガのエリスリトールをまとめ買いして常備しています。
ニチガさんのエリスリトールは、フランス産のとうもろこし(遺伝子組換え不使用)を原料としています。
エリスリトール配合の甘味料はスーパーにもある
スーパーにエリスリトールそのものはありませんが、エリスリトールが配合されている甘味料は売られています。
エリスリトール商品では、SARAYAさんのラカントが有名ですね。
羅漢果(らかんか)の高純度エキスとエリスリトールをバランス良く配合した甘味料です。砂糖と同じ甘さなので、エリスリトールのように量を割り増す必要がありません。
羅漢果…中国産のウリ科の果実。エリスリトール同様、摂取しても体内に吸収されず、血糖値は上がりません。ラカントに使われる高純度エキスは、砂糖の300倍の甘さなのだとか。
エリスリトール同様、カロリー・糖質ともにゼロ。日本で一番多く使われているエリスリトール配合商品だと思います。
エリスリトールよりラカントの方がしっかり甘くて、「砂糖」感がありますね。
味の素さんのパルスイートにもエリスリトールが含まれています。
含まれてはいますが、主材料は粉末還元麦芽糖水飴。その他食物繊維(還元難消化性デキストリン)、いわゆる合成甘味料と言われるアスパルテームなどが複合されています。エリスリトールはその中のひとつです。
パルスイートは、糖類を含まない、または体内に吸収されにくい糖質のみを使用しているので、こちらも血糖値に影響を与えません。
パルスイートの甘みは、小さじ1杯で砂糖の小さじ3杯分。砂糖よりも少量で甘みを感じることができます。
コスパが低い
エリスリトールは他の甘味料より高額です。
商品にもよりますが、私が常備しているニチガさんのエリスリトールは、1kg 1,400円弱。
白砂糖(上白糖)が1kg 300円前後なので、4倍以上の価格ということになります。ここだけは残念です。
お安くなるとありがたいですが、品質と安全性を買っていると思って割り切っています。自分でスイーツを作ればコストカットは十分できますね。
合成甘味料は砂糖や果糖より危険?
余談ですが、摂ると危険と言われる合成甘味料。もちろん摂らないに越したことはないです。間違いありません。
ただ、それは砂糖や果糖も同様です。
砂糖(黒砂糖も含む)を摂れば血糖値が上がり、血管を痛めつけます。
果糖はブドウ糖の10倍以上のスピードで老化物質を産み出します。
『合成甘味料は依存性があり、たくさん摂ると身体に悪い』って、それは砂糖も同じです。
どの糖も摂るのがダメなのではなく、たくさん摂るのがダメなんです。
甘味料それぞれに良さとリスクがあります。偏った情報やイメージで良し悪しを決めずに、摂り方や量を意識してみると良いかもしれません。
とりあえず、甘味料の選択肢の一つとしてエリスリトールはおすすめです。
砂糖のお菓子に負けず劣らずの美味しいスイーツもありますし、YouTubeにはエリスリトールの低糖質レシピがたくさんあります。ぜひ一度のぞいてみてください。