
硬枕(こうちん)。
「西式健康法」で使用される硬い枕です。
この硬枕で眠ると、ゆがんだ頸椎が伸びて整っていくと言われています。
硬枕の購入を考えている方のために、硬枕を使用しては挫折、再開を繰り返している私の正直な感想と変化をお伝えします。
硬枕とは

かまぼこのような半円形の硬い枕です。
桐製の「木製硬枕」が主流ですが、竹で作られた「竹硬枕」もあります。
硬枕は平床とともに利用する
硬枕は、「西式健康法」の6大法則の中のひとつ。
リンク
平床(硬い床で寝る)とセットで行われる健康法です。
kimamastyle.com
「平床」は、硬い床と身体の重さを利用して脊柱(背骨)を整えるもの。
「硬枕」は、硬い枕と頭の重みを利用して頚椎を整えます。
ボーリング玉ほどの重さがあるという「頭」が体のバランスを崩す一因となっているそうですが、その重さを逆に利用するわけですね。
スマホが普及してから増加している「ストレートネック」は頚椎が関係しているため、硬枕に興味を持つ人は今も多いです。
硬枕の選び方
「自分の薬指の長さ」と同じ高さの硬枕を選びます。
もしくは、身長153〜159cm「Sサイズ」、160〜166cm「Mサイズ」が推奨されています。
できれば試用してみて、下記の項目をクリアした硬枕を選べば間違いないです。
首を乗せたときに、
硬枕の使い方
基本は平床とセットでの使用となります。
また、硬枕に乗せるのは頭ではなく首です。
1.仰向けに寝て、首を硬枕に乗せる
第三・四頚椎が硬枕の1番高いところに当たるように首を乗せる。
顔面と床がなるべく平行になるようにします。
2.首の後ろを6時間かけて伸ばす
自身の頭の重みを利用して、頚椎をゆっくり伸ばしていきます。
首にゆがみがある人は、後頭部や手などがしびれることがあります。(体験済み)
いきなり就寝時に使わず、まずは10〜15分くらいから慣らすのが無難です。
徐々に使用時間を伸ばし、一晩眠れるようにします。
硬枕の注意点
枕はデリケートな首を乗せるものなので、間違った使用は危険です。
硬枕は、あくまでも「仰向け」で寝る枕です。
横向きで使用すると首を痛めます。
硬枕を実際使った感想・変化

↑竹枕の裏面です。
私は通気性・衛生面を考えて「竹枕」を購入しました。
竹枕だと変色せず、見た目も何年も変わっていません。
薬指の長さと同等の高さ(7cm)の竹枕(Mサイズ)を選びました。
リンク
女性はSサイズを選ぶことが多いようです。
初めは私も「もう一つ小さいサイズを買えば良かったかも」と思ったのですが、今は竹枕に首が綺麗にフィットしているのでそのままMサイズを使用しています。
硬枕の使用感
竹枕に首を乗せるとまずヒヤッとします。そして当たり前ですが硬いです。
私の場合は、特に痛みはありませんでした。
顔と床が平行になるようにすると、後頭部が少し浮きます。
この浮いた感じが慣れないと落ち着かないかもしれません。
使用感に慣れず、何度も挫折
「浮いている後頭部」がとても不安で、何度も使用をためらいました。
後頭部が浮くと、頭の重さが首にのしかかり、硬枕にグッと押しつけられる形になります。
これが大事なのだとは思いますが、使い始めはかなり不安になりました。
また、30分使用したくらいでは何も起こらないのですが、数時間硬枕で寝てしまうと、後頭部がしびれて感覚がなくなることがあったのです。
これには理由があったのですが、原因のわからなかった私は怖くなって使用を中止しました。
硬枕を使い始めて感じた変化

昨年、硬い床で寝る生活をスタートさせたときに、久々に竹枕を使うことにしました。
平床と竹枕生活を始めてすぐは肩こりがひどく、仰向けに寝ることができませんでした。
竹枕を外して眠る日も何度もありました。
それが徐々に変わっていきます。
(※以下、個人の感想となります)
・寝返りをうたなくなった
不思議なんですが、平床と硬枕で寝るようになってから寝返りをうたなくなりました。
硬枕を跳ね除けることもなく、就寝時と同じ仰向けの状態で目が覚めます。
硬枕で横向きになることは構造上不可能なので、ずっと仰向けで寝ていることになります。
・後頭部のしびれがいつの間にか消えた
後頭部の違和感は、首のゆがみによるものだそうです。
www.yuiclinic.com
こちらの記事を読んで使用を続けてみたところ、しびれは一切なくなりました。
不思議です。
※無理をして硬枕を使用し続けるのはおすすめできません。
・肩こりがかなり緩和された
平床の効果も大きいと思いますが、首や肩のかたさ・こりに関してはとても変化を感じています。
肩や首がこって眠れない日はなくなりました。
硬枕のメリット
硬枕のメリットに関しては、「暮らし」の中で助かる面が意外と多いです。
・寝ている間に髪型が崩れない。寝癖がつかない
最近は髪のために竹枕を使っているところがあります。
首だけを乗せ、後頭部が浮く枕なので後頭部の髪がぺたんこになりません。
夜にセットしたままの、フワッとした状態の髪を朝まで保ってくれています。
・枕の洗濯がいらない。衛生的
硬枕はもちろん洗濯の必要がありません。
ダニの繁殖もしないので、ずっと清潔に使用することができます。
・場所を取らない
私が使用している竹枕は14cm×30cm×7cm。
普通の枕と比べるとかなり小さく場所を取りません。
収納がとても楽になります。
・一生使える。枕の買い替えが必要ない

竹枕を一度買えば、くたびれることがないのでずっと使用し続けることができます。
木枕は使い続けると変色したり変形することもあるようですが、どちらも柔らかい枕よりも長く使用できます。
硬枕のデメリット
硬枕に関しては「デメリット」を理解してからの使用をおすすめします。
・とにかく枕が硬い
枕が「冷たくて硬い」というのはストレスもためやすいです。
リラックスはできません。
使い始めは落ち着かないと思いますので、予備の枕があった方が良いです。
・横向きで寝られない
硬枕は仰向け専用の枕です。
横向きで寝ると枕に当たった耳が痛いですし、首も不自然な形になるので痛める可能性があります。
また、仰向けに寝ないと硬枕を使う意味がなくなってしまいます。
私もどうしても横向きで寝たい日があります。
横向きになりたいときのために、補助の枕やタオルケットなどを常備しています。
・硬い床とセットで使用しないと効果が減ってしまうかも
マットレスで竹枕を使用していたときよりも床で寝るようになってからの方が身体の変化を感じやすいです。
硬い床や枕の形に合わせて身体がピタッとくっつくようになった感じがします。
セットで始めてから、肩こりの解消が加速した印象です。
・身体が硬い人には厳しい
床で寝る生活と同様になりますが、身体が硬いと床や枕の形に身体を添わせるのがとても大変だと思います。
無理をせずに、他の寝具を選択することも考えましょう。
・硬枕に警鐘を鳴らす声も
硬枕を愛用されている方は多いです。
硬枕で血が止まる心配はないとされていますが、このような意見のブロガーさんもいらっしゃいます。
minimal-hagakure.com
万人に合う健康法はありません。
硬枕もリスク面をしっかり考えての使用が必要だと思います。
違和感を感じたら、一度使用をやめてみることも大切です。
自分に合った枕、快眠できる枕が1番

私個人は、平床と硬枕に挑戦してみる価値はあると思っています。
シンプルな生き方をしたい人にもピッタリです。
気になる方は注意書きを守って挑戦してみてください。
ですが、「西式健康法」は修行のような一面があります。
快適な生活から遠いところにあるのも事実です。
今は快眠や身体の悩みをサポートする寝具がたくさん販売されています。
健康法だけにこだわらす、選択肢を広げて自分に合った睡眠の形を見つけてみてください。
