
自家用車を手放した知人Bさんの話です。
ある日突然、Bさんから「車を売った」と報告されました。
なぜそんなに思い切ったことをしたのか、理由をたずねずにはいられませんでした。
自家用車の必要性を考えた結果
Bさんが自家用車を手放した理由は4つありました。
- 車のローンと維持費が高い
- 車を通勤時にしか使用していない
- 2035年以降、ガソリン車が販売禁止になる
- 自動車は自動運転にシフトしていく
車のローンと維持費だけで月80,000円
今年に入り、Bさんは家計をすべて見直し、無駄な出費を抑えることにしたそうです。
例えば携帯電話の料金。家族割をうまく使って、一家(3人)で月10,000円以内に抑えました。
家計の中で家のローンと並んで出費がかさんでいたのは車のローンと維持費です。
Bさんは車のローンと維持費合わせて80,000円を毎月支払っていました。
月80,000円の出費。
ある程度裕福な家庭なら80,000円くらい余裕で支払えるかもしれません。
ですが、されど80,000円です。
ご家庭によっては、毎月80,000円の余裕があれば、かなり暮らしが楽になるのではないでしょうか。
通勤以外に使用していなかった自家用車
育児や介護をする場合、車があるととても便利です。
しかしBさんの場合、お子さんが成人したこともあり、車の利用はBさんの通勤時だけになっていました。
通勤による乗車時間は往復で20分弱。
これだけのために車を保持する理由は、Bさんにはありませんでした。
ガソリン車は2035年から販売禁止

日本政府は、2035年以降、純ガソリン車、純ディーゼル車の新車販売を禁止する、との方針を打ち出しました。東京都は2030年までに販売禁止となります。
2050年のカーボンニュートラル実現のために、電動車を普及させるのが目的です。
カーボンニュートラル…二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組み
純ガソリン車を買えない、乗れない時代がすぐそこまで迫っています。ガソリン車の価値が下がる前に、Bさんは自家用車を手放すと決めたそうです。
近い未来、自動車は自動運転に切り替わる
日本政府は、2025年頃までに自動車の自動運転レベル4(高速道路での運転を完全自動化)の実現を目指しています。
自動運転レベル…米国自動車技術協会(SAE)、国土交通省が自動運転レベルを6段階に分けたもの。
そして2030〜40年頃には、日本の自動運転レベルは5(全ての領域で運転を完全自動化)になると言われています。
車の完全自動運転が実現すると
車の完全自動運転が実現した未来では、自家用車よりもカーシェアや無人タクシーなどが主流になると予想されています。
ネットで予約をすれば、自動で無人車が家まで迎えに来て、自動で目的地まで運んでくれる。
こんな未来が近づいているんです。

車の利用頻度が少ない人にとっては、自家用車を持つ必要性がますますなくなっていきます。
また、大きく変わる車社会の中で、車を買い替えるリスクも計り知れません。
実際に自家用車を手放したBさんの暮らし
Bさん、思い立ったら行動が早かったようです。少しでも車が高く売れるうちに、自家用車を売却しました。
自動車保険なども解約。
自家用車を手放して得た経済的豊かさ
自家用車を手放したことで、Bさんは自家用車関連の支払いがなくなりました。
月80,000円の余裕ができたのです。
経済的余裕ができたので、Bさんは
- 食材、生活必需品、衣料品など、良質のものを選んで買うようになった
- 生活水準を少し上げた
- 徒歩・自転車での移動が増えたので痩せた
- 貯蓄にお金を回せるようになった
生活が潤うと、上質な暮らしにシフトすることができます。
車でのお出かけはできなくなりましたが、浮いたお金で少し豪華な電車や船の旅ができます。車とはまた違う景色と贅沢な時間を楽しめますね。

車を手放す前、Bさんは家と車のローン返済のことで頭がいっぱいだったそうです。その不安は今、すっかり解消されています。Bさんにとって自家用車を手放すことは、最善の選択だったようです。
自家用車を手放した後の対策
自家用車のない生活、もちろん楽なことばかりではありません。
通勤は電動自転車で
車以外の移動手段として、Bさんは電動自転車を購入しました。
雨の日は徒歩、電車、バスを使います。
交通手段が断たれたときはタクシーを使うことに決めたそうです。タクシーをごくたまに利用するくらいなら、車の維持費よりはるかに安上がりですね。
車がどうしても必要なときはカーシェアリング
どうしても車が必要になったとき、Bさんはカーシェアリングを利用しているそうです。
カーシェアの利用率は年々上がっているそうです。このままカーシェア業界が成長していくと、もっと気軽にカーシェアができるようになるかもしれません。
ネットスーパーを活用
大量の食材を購入する場合、Bさんの家族がネットで注文して、自宅まで配達してもらうそうです。
ストーブのための灯油も自宅まで届けてもらうことに。
もちろん配送料はかかりますが、やはり自家用車の維持費と比べると安いそうです。
自動車との関係性を見直す
車を頻繁に使うなら自家用車は必須です。
しかし、Bさんのように車をあまり使わなくなった場合、使わなくても生活できる場合は、自動車との付き合い方を考え直してみても良いかもしれません。
自家用車を持っていないと恥ずかしい?
自家用車を手放す際、Bさんは親族から「車を持たないなんて、大人として恥ずかしい」と引き止められたそうです。年配の方にとって、自家用車はひとつのステータスなのかもしれません。
車が好き、車が必要、いろんな理由で自家用車はこれからも活躍していくと思います。
ですが、「自家用車があって当たり前」という考えは必要でしょうか。
自家用車を持たないBさんを気の毒に思う人がいるようですが、Bさん本人は将来をしっかり見据えながら豊かな暮らしをしています。
自動車との付き合い方の転換期

純ガソリン車は十数年後にはほぼ消え、自動車は自動運転に切り替わっていきます。また、若い世代の人達が車を買わなくなり、カーシェアが広まっています。
今までの車社会や価値観にとらわれず、新しい自動車との付き合い方を考えていく時期が来ているようです。
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